昔ながらの仏式のお葬式は今でも全体の8割以上を占めていますが、先祖代々のお墓がある菩提寺と檀家との関係は弱まる一方。私自身、菩提寺はありませんし、もはや宗派さえ怪しい感じ・・・。
お寺と関わることがなければ、仏式にこだわる気持ちも薄れてしまうのが道理というもの。宗教にとらわれず、故人の趣味や希望に合った形で送る葬儀が生まれました。
これを「無宗教葬」または「自由葬」と呼びます。タブーがありませんから、祭壇を作らず花で棺を飾ってもよし、ビートルズをお経代わりにしてもよし、焼香を省いてもOKです。
記憶に新しいのは、2008年に亡くなった歌手の忌野清志郎さんのお葬式です。関係者だけが参加した献花形式の無宗教葬の後、ファンはロック葬「忌野清志郎 AOYAMA ROCK'N ROLL SHOW」で彼の作品を聴き、歌いながらお別れしました。
個性的で楽しい無宗教葬ですが、実際に行う方はまだまだ少数。親族が難色を示すこともありますから、故人の強い希望があったと説明し、納得してもらわなければなりません。
また菩提寺に納骨したい場合は、前もってお寺に必ず相談しましょう。場合によっては仏式のお葬式を別に行うなどの手間がかかります。
無宗教葬と同様に、自由な発想で眠る場所を選ぶことも可能です。
お骨を墓地に埋葬し、墓石の代わりに樹木を植える「樹木葬」や、自宅にお骨を保管したり、ペンダントケースに入れて持ち歩く「手元供養」などのほか、お骨を細かく砕いて海や山へ撒く「散骨」も有名です。
日本の場合、散骨についてデリケートな印象をもっている人も多く、条例で禁止されている地域もあります。また、業者ごとに散骨の場所が指定されてしまうため、「故人が好きだった場所へ」とはなかなかいかないようです。
生きているうちに自らのお葬式を済ませてしまうのが「生前葬」です。無宗教葬と同様、形式は自由です。お世話になった人や友人を集め、ビュッフェでもてなしたりカラオケで和んだりしつつ、好きな形でお礼を言います。
生前葬の後は出家したような気持ちで生活することが肝心。お葬式前と後がまったく同じ生活では、ただの悪い冗談になりかねません。
また、生前葬を行った人が亡くなった時、改めてお葬式をするかどうかはあらかじめ本人と家族で話し合って決めておく必要があります。