平成21年の住民基本台帳を調べてみると、東京は1世帯あたりの人員数が他の地域より明らかに少ないことがわかります。渋谷区や新宿区などは1.67と2人を切っており、これは都心に単身の世帯がたいへん多く、所帯を持っていても核家族や子供をもたない夫婦だということを意味しています。
都心に住む家族がお葬式を出すことになった場合、地方のようにご近所の協力を得て行うことは難しいのが現状です。
また都会では「死」が隠されてしまう傾向にあり、不幸があっても近隣になるべく気づかれないように自宅を使わず、斎場でひっそりと身内だけでお葬式を行うことが通例になっています。
お葬式にかける予算も他都市と比べると低く、お金をかけずコンパクトに済ませる傾向があります。身内だけの家族葬を希望する遺族が多いのは、無駄な出費を避けたいという理由があるようです。
死亡から火葬までに1週間近くかかることがあります。東京公営の斎場が少ないので対応しきれていないためという説もありますが、本当のところは仏式の葬儀の形が変化したことが大きな理由のようです。
本来であれば告別式当日には行わない初七日や精進落としを、火葬のあと一気に続けて行うことが増えました。そのため、地方から出てきている親族の帰るスケジュールも考えたタイミングのよい時間帯に、火葬希望が集中して待たされてしまうのです。
東京の葬祭業者によると、「時間帯を選ばず、朝や夕方に火葬をしても良いのであれば、待たされることはそれほどないのでは」とのことです。